【レポ】「たつき監督・福原Pトークショー 〜ふれんずと考える、アニメについての"ヤオヨロズ"〜」行ってきた 

慶応大学三田祭で「アニメカルチャー研究会」にて開催されたトークショー
「たつき監督・福原Pトークショー 〜ふれんずと考える、アニメについての"ヤオヨロズ"〜」
におっさんフレンズとして参加。話を聞きながらメモ取ってたので、そのまとめを。
神イベでした。いや本当に。


会場は三田キャンパスの一番奥、ノリのいい男子学生と楽しいイケメンに声をかけられたい女子学生でごった返す広場と通路を抜けた先の建物の地下2階。他の場所と違って、入口には陶芸作品の販売所があるなど落ち着いた雰囲気。マイクの調整などもあったのか、10分押しでスタート。会場の席はほぼ埋まってました。

まずはたつき監督と福原Pの略歴紹介。
・「てさぐれ!部活もの」について
たつき監督「(「てさぐれ!部活もの」は)地獄アンド地獄だった。アニメ史に残る無茶。」
福原P「2クール目は翌年かと思ったらその年、あと2ヶ月しかないというオファーで衝撃だった。いろいろな工夫をして乗り切った。」

一つ目のコーナーは「コンテンツを作る」をテーマに、台本に載せられたアニメカルチャー研究会に寄せられた質問からお二人が選んでトーク。以降のコーナーもこの方法で進められた。
とにかくガチで難しい質問が多かったらしい。カタギじゃないでしょ?って質問も。

・ものづくりの楽しさ、辛さについて
たつき監督「農業感がある。収穫に向けて、苦労し、研究し、作り上げる。」
福原P「音楽は半年ぐらいでできるが、アニメは企画から納品まで2年。」
たつき監督「引き返せない恐怖がある。辛くないアニメ制作はない。」

・コンテンツの反響について
たつき監督「制作について従来からtwitterを中心に声をかけていた。今回の募集も大いに注目されたが変わったことをしたつもりはない。が、けもフレのこともあり雑誌をはるかに超える応募があるなどすさまじい反響がある。」
福原P「最近は増えてきたが、CGアニメは珍しい。お給料や待遇が悪いこともあってCGクリエイターはゲームに行くことが多い。」
たつき監督「CG製作がオペレーションの一環だったりも。アニメーションのCGクリエイターという働く『箱』がない。CGクリエイターとしての需要はゲームがメイン。」

・海外への意識について
たつき監督「作品を作るごとに、自分たちが見たいものを作る、それが受ける、という形になっている。」
福原P「スペインで『どら焼き』が通じなくてチョコケーキ扱いになってるように、海外に通じないカルチャーというのもある。人間に共通して通じるテーマだと海外にも通じる。なので海外だからそこにおもねる、ということはしていない。」
福原P「海外は予算が大きい。視聴者数の関係。」
たつき監督「日本のアニメはアジア圏から広まると言われる。欧米はそのあと。」
福原P「アメリカは『カッコイイ』系アニメが受ける。」

・作りたいアニメコンテンツについて
たつき監督「アイディアを貯めている。断片なら数百、シリーズで十数個、そのうちまわりと話して、いいね、となったものが出ていく。」
たつき監督「死ぬまで一本、という柱があることもファンにとっていいことであり大切だが、どちらかというといろんなものを作っていくタイプ。」

・netfrixへのコンテンツ提供は?
福原P「声がかかればやる。会場のみなさんどの媒体で観てます?」
→アマゾン>netfrix>バンダイ、dアニメ、アニテレ等
福原P「みなさんのアニメ視聴の形態は?」
→生放送より録画が多い
福原P「みなさん1クールでどれぐらい見ます?」
→10本以上がそれなりに。ほぼ全部見る猛者も。
福原P「みなさんDVD買いますか?買う人枚数多いと思いません?」
→買う人それなりにいる。多いとも思っている。
福原P「1枚に詰め込んでもいいけどそれで4万円って情報商材みたい。一方でたくさんあるのは入れ替えがめんどくさいって話もある。」


2つ目のコーナー。「ヤオヨロズCGアニメーション徹底解剖」。
CG専門誌向けの質問じゃないかみたいなのが来ていて、ずっと話してたいけど何十時間もかかるよ、と嬉しそうなたつき監督。

・CGソフトウェア「Cinema 4D」の使用感ついて
福原P「早速専門的な質問。一般的には「Maya」と「max」という2つのソフトウェアが使用されているが、たつき監督は「Cinema 4D」を使用する。その使用感は、という質問。」
たつき監督「作業をする上でのスピード感があっているので使っている。デメリットとしては、他の会社やチームが「Cinema 4D」を使っていない場合が多く、急な協業が難しい。」
福原P「なのでなるべくみんなで「Cinema 4D」を使って作れるようにチームや環境を整えている。」

・同人と商業の違いについて
たつき監督「商業は出資者、ファン、クリエイターとしての思いの共通点として面白く作れるポイントを目指すことになる。同人の場合は自分が好きなように作る。」

・irodori結成秘話
たつき監督「大学のカフェテリアで伊佐さんと「プロでもらえる仕事をするだけではダメだ」「楽しいことやりたい」で始めて、のちに白水さんが加わった。」
福原P「同人活動が商業で役立ったことは?」
たつき監督「ピンチの時に商業ではできない制作手法で乗り越えることがあるが、それは同人の制作現場で培ったスキルや手法を用いていることがある。」

・デフォルメキャラについて
たつき監督「CGというとリアル志向だが、デフォルメの絵を志向している。実物がお手本としてあるリアルは製作者全員が同じ目標に向きやすいが、デフォルメは定まったものがないため目標を合わせにくい難しさがある。」

・マルチメディア環境における見た目について
たつき監督「スマホだったりテレビだったりPCだったりといろんな物で観ることを想定して作っている人もいる。」
福原P「みなさんは何で観てますか?」
→PC派が最大、続いてテレビ、スマホは少数。
福原P「アンケートの母集団が偏っている可能性が…。」

・「けものフレンズ」のカットがあまりせわしなく動かないことについて
たつき監督「CGは動かせてしまうので、ついつい動かしたくなる。でも止めた絵の方が伝わると思うので、なるべく止めた絵を使うようにしている。初音ミクの曲でわざとブレスを入れるように、デジタルでできることでもしない、マイナスの方向性、というのもある。同じようにCGもノイズを出したり動きを止めたりでよりよく見せる方向性がある。」

・趣味と仕事のアニメの線引きについて
たつき監督「生活の中で得たものをそのまま生かせる仕事としてアニメ製作を選んだ結果、生活すべてが仕事であるアニメの一環になってしまった。散歩に行って喫茶店行くことやそこでの経験、雑学知識、すべてアニメに反映される。」

・音響について
たつき監督「音響監督に任せている。」
福原P「けものフレンズの最後の方は自分からも音響に参加してたから、興味がわいたのかと思っていた。」
たつき監督「ストーリーと音響がリンクするところがあるので、整合性を取る必要があった。」

・「作りたいものを作る」同人での制作姿勢について
福原P「期限がないとどこまでも作り込んで終わらない、ということはないか。」
たつき監督「あるけれど、出さないで腐らせてしまうのも問題。なのでもう一人の自分が『そろそろ出さないと腐る』と指摘して、それで止めて出す、ということがある。」

・製作体制について
福原P「全部チーム内でやっているので修正がしやすい。時間、金、仁義を複数社複数チームで調整するのは大変。特に仁義。」
たつき監督「他人に『やりなおして、明日の朝までに』と言わなくて済む、あるいは気心の知れた仲間なので言える、という環境は製作にとても有利。アニメーターさんが激怒するようなことができてしまう。」

・修羅場の時どうするかについて
たつき監督「脳の体力、というものを考えて物を食べたり作業の配分をしたりしている。いつでも寝られるようにデスクに布団を完備。」
福原P「いつ寝てるかわからないから、電話のタイミングが難しい。」


最後のコーナーは「たつき監督・福原Pの素顔に迫る」。
やっとポップな質問になったとお二人。

・たつき監督のケニア生活
たつき監督「大きな犬を番犬として飼っていて、犬と遊んで暮らしていた。友達はいるが家が遠すぎて一緒に遊ぶことが難しい。庭に出てくるカメレオン探しは熱かった。」

・たつき監督の食生活
福原P「ほうれん草とベーコンとコーンしか食べられない状況に追い込んでるわけじゃないことを強く主張したい。」
たつき監督「最近バナナを食べている。 肉も食べる。食べ物で体調や思い付きのコンディションが変わるので、それを試している。勢いのあるものを製作するときは朝から肉だ!とか。」

・冬コミ進捗どうですか
たつき監督「のんびり頑張ります」

・平日と休日の区別
たつき監督「区別のある仕事のしかたはしてなくて、1日のうちで仕事と休憩と。なので祝日と言う概念がよくわからない。生活の全てを利用できるような仕事として選んでいるので。」

・たつき監督と新海監督
たつき監督「同じ同人発祥で、新海監督は真っ直ぐな道を進んで有名に。自身はちょっと変わった方向性で…。」
福原P「かつて同人動画作家が拠点としていた動画サイト出身。クリエイターを多数輩出している。」

・福原Pの心の強さの秘訣
福原P「別に強くない。酒飲んで寝てる。尿酸値高いと言われてるのでハイボール。」

・好みの異性は
たつき監督「好みはモデルに反映されていることがある。アニメの女の子かわいいなって見てたらいきなり惨殺されて、最後でなかったことにされた。」
福原P「橋本環奈さん。」

・2018年は何をするか
たつき監督「CG研究を深めたい。」
福原P「目標からどのぐらいまで来ている?」
たつき監督「6~7割は来てるとは思うが、そこから先はベクトルを変えていくようなことを考えなくてはいけないと思っている。」

・日課について
福原P「毎朝神様に手を合わせる。ヤオヨロズなので。」
たつき監督「アニメ制作。」

・今食べたいものは?
たつき監督「ハラミ。最近初めて食べたがおいしかった。」

・今後やりたいこと
福原P「アメリカのアートのプロデューサーを見ながら、日本のプロデューサーの弱さを感じている。製作陣にお金を渡せない弱さ。プロデューサーの大学を作りたいと思っているが費用が掛かるし大変。」
たつき監督「末永くアニメを作る。」

そして最後に、お二人からのコメント。
福原P「たつき監督は製作に回っていることが多く、代わりに自分が出て拍手をもらってきたことが多かった。今回は二人で出られるということでオファーを受けた。ぜひ大きな拍手をたつき監督に。」
(満場の拍手)
たつき監督「アニメ製作の方に興味を持たれることは業界としても大変うれしいこと。」
福原P「レポには神イベントだったと書いてください!」

退場の際には本当に大きな拍手が送られ、終始穏やかであたたかなトークショーとなりました。かしこいフレンズらしく。
福原Pの言葉と関係なく、本当に神イベントでした。

その他
・外は女子大生だらけのリア充空間なのに、このイベントは男性中心でマニアックなアニメの話。
・製作中は製作に没頭するが、作品と作品の間はそういう時にはできない話ができる。この空気感は貴重。
・質問が難しく面白いけど、かしこい人が多いのでポップじゃない。
・たつき監督は製作が始まると人に会わなくなる。製作関係と生活上会う人(コンビニ店員とか)以外で去年会った人の記憶がない。
・同人時代のたつき監督のもとには「これで商品作りませんか?」というビジネスな人ばかり来るので、福原Pについてもかなり警戒してたらしい。それが「この線がいいよね!」と内容に言及するので信用した。
・映像を作るうえで「一件わからないようなレベルでこだわって作るのが好き。それで徹夜などしてしまう」というたつき監督。保険版、と出されたものと本番版で、福原Pが見ても差分がわからなかったりするのもある。この保険版のおかげもあってV編は落としてない。
・中野は関係者が多いせいでおちおち仕事の話もできない、と静かな喫茶店を選ぶことが多い。が、人がいないせいでだいたいすぐ潰れてしまう。
・「お二人の口座を教えてください(振り込みたいので)」という質問がかなり来ていたらしい。
・たつき監督の絵柄について、CGにも出ていると言われて嬉しかったらしい。




最後に、この素晴らしいイベントを企画、準備、開催してくださった、

アニメカルチャー研究会

の皆さんに、盛大な拍手を。
本当にありがとうございました!!
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