【レポ】「ボカロファンと歌舞伎ファンのオフ」って何をしてたのか? 

22日の「今昔饗宴千本桜 振り返り実況」で獅童さんがコメントにあった「ボカロファンと歌舞伎ファンのオフ会」というコメントをご覧になり、
「一体どんなだったんだろう」
とおっしゃっていたので、死蔵状態になっていたオフ会記録を掘り出してまとめてみた。

ことの発端は、歌舞伎に興味を持ったボカロファンの反応を見て、歌舞伎ファンの方から「歌舞伎面でいろいろ語りたいけど直接話した方が早い!」というツイートがあったことから。ならボカロファンには「オフ会主催の名手」キヨくんがいる、どうですかやりませんか、とけしかけて実施することに。
キヨくん主催のオフ会でよく使用するお茶の水の某バーで、当時まだタイムシフト再生期限ギリギリだったかの「今昔饗宴千本桜」千穐楽の映像を見ながら、まさにこのニコ生の振り返り実況みたいにして、お互いの知識を語り合って「今昔饗宴千本桜」を味わう、そんなオフ会だった。
歌舞伎サイドの皆さんからは、数多くの歌舞伎の基礎知識や「超歌舞伎」で用いられている数多くの歌舞伎表現の解説を通して、「超歌舞伎」が歌舞伎の表現をふんだんに使用した演目であったことが示された。殺陣も近代劇のものではなく舞踊をベースにした歌舞伎の殺陣であるし、中盤の見せ場に示される舞踊があり、古典歌舞伎の演目である「義経千本桜」に通じる衣装、道具、所作があった。デジタル技術と融合したわかりやすい新作でありながら、古くからの歌舞伎の表現をそのまま、かつふんだんに用いてその良さを表現する演目として、歌舞伎ファンの間でも大変評価が高かったという。
ボカロファンからは半透明のボードにミクさんを映してその場にいるように見せる技術や、ニコ生画面の天井やミクさん本体のAR技術、ミクさんの3Dモデルやその完成度(特に踊りの指先の驚異的な完成度)、「サイリウムの折り方」とか「振り方」の話もしたり。
またこのステージの裏方の技術者もコッソリいらっしゃっていて、そちら方面からの興味深い話もいろいろと伺った。
そうして歌舞伎、ボカロ、技術の3方面から映像を観ながら語り味わい尽くす、そんなオフ会。おそらくこのオフ会の参加者が「超歌舞伎 今昔饗宴千本桜」を最も味わい尽くした観衆となったのではないか、と思っている。

「続き」で、当時書いたメモ書きから、具体的にこんな話をしていた、というところを挙げていってみる。これからタイムシフト観る歌舞伎ファンではない皆さんも「へぇー」となる話がたくさんあるだろうと思う。


とざい、とーざーい:これから歌舞伎が始まりますよ、という掛け声。
口上:獅童さんとミクさんが紋付着て平伏していたあれ。普段はその公演での演者の紹介なんかをする。この紋付は所属する家の紋が付いている。
隅から隅までずいーっと:口上の最後を飾る決まり文句。このセリフが決まったタイミングで大向こうをかけると決まる。
もふ屋と呼ばれていた狐:小道具の狐で歌舞伎の舞台にも普通に出てくるし、歌舞伎座の上の資料館にもいる。
衣装:佐藤忠信は「義経千本桜」の狐が化けた忠信の装束。「フルアーマー忠信」と言われてた衣装や化粧も同じく「義経千本桜」で出てくる。
「フルアーマー忠信」が持ってた小さな鎧:義経下賜の鎧、つまりFF好きにはお馴染みの「げんじのよろい」。「義経千本桜」の話の筋としては、狐が「初音の鼓」を持って去る前の段で出てくるモノなので、ここで出てくるのは筋としておかしいんだけど、「フルアーマー忠信」の装備品なのでそこはあまり突っ込まない。
ウロコ隊:青龍の攻撃のところで忠信と闘っていた人たち。龍のウロコを示すため、ウロコっぽい柄の服を着ている。
ぶっかえし:衣装をバリバリーってやって青から狐火マーク入りの白装束になったアレ。「義経千本桜」でも同じことをする。
六方:狐の真似をした所作。いわゆる「開きグー」で手首を曲げてぴょんぴょん飛ぶように歩くアレ。歌舞伎の伝統的な表現で、これも「義経千本桜」に登場。
天井のAR:歌舞伎座など歌舞伎の劇場の屋根を模したもので、幕張メッセのホールをまるで歌舞伎劇場かのような雰囲気に演出。
自撮り棒:「鹿背杖」という、妖魔が魔術を使う時に表現するいわゆる「魔法の杖」なのだが、形状的に自撮り棒。
はしご:相手を捕獲するために使用する道具。なぜはしごなのかは不明。
はしご登りをやる場所:今回もそうだが狭い花道でやる。おかげで大迫力。
何で登った後のはしごで敵に運ばれてるの?:花道から戻って舞台の真ん中で立ち回りを続けるのにみんなでぞろぞろ歩いて戻ったんじゃカッコ悪いでしょう、と。
毛振り:本当は「獅子が髪の毛を洗ってるところ」の表現でありアレで攻撃するってことはないのだけど、そこは青龍なので。
歌舞伎役者さん舞台から降りるの?:演目によっては普通に降りてきて客席通路で演技続けたり客いじったりする。
ダブルカーテンコール:普通やらない。
アンコールでノリノリの獅童さん:さすがにああやって観客を盛り上げることは歌舞伎ではやらない。千穐楽はすっかりライブ化してた。
演目終わった後の三本締め:「ミクさんライブ」のお約束で、終演後に三本締めをすることで「終了」となる。三本締めの本来の意味は「無事に成功しました、みなさんお疲れ様!」という意味になるのだが、ミクさんライブの観客は自分もライブステージを盛り上げる装置の一つだと考え、ライブの成功をわがことのように喜ぶので、意味的にはそう違ってない。この三本締め、スタッフの皆さんにもちゃんと聞こえてて喜ばれたとか。
千本桜が一気に咲き誇る演出:「かっぽん」という歌舞伎の演出の一つ。これを「あまたの言の葉の力」と言ってコメントの文字を集中させるという現代のデジタル的演出と融合させるところがまたニクい!
歌舞伎は役者を魅せる芸術:シナリオも重要だが、いかに役者をかっこよく、美しく見せるかを追究している。
ミクさんが藤間宗家の舞踊をするのを見て、歌舞伎ファンの人は「役者がやればいいじゃないか」と思わなかったか?:あの舞台は「初音ミク」が踊らなければ成立しないのでそうは思わなかった。むしろ藤間宗家の舞踊をデジタルのミクさんが踊っているというところが感慨深い。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://bukko3.blog33.fc2.com/tb.php/964-8c84f914