【ライブ感想】「武道館」でやるミクさんライブ 

さて、ミクさんがついに武道館に立った。もうそれだけでセンセーショナルで別のブログ1本できるところなのだが、それは別として、ライブそのものに対しての感想を述べていこう。
良くも悪くも「武道館」。まとめてしまうとこれがすべてだ。

1.音
日本武道館は音楽ホールではなく武道場。ライブの明けた9/6、何事もなかったかのように柔道の大会やってる、本来はそういう場所。それをよく普通の音楽ホールの音響レベルで仕上げられたな、という技術と努力には感心するものの、つまりはそれだけ無茶した限界点でしかない。それ以上でもそれ以下でもなかった。
しかしながら、ミクさんライブの初演で毎度おなじみの「ミクさんの声がギターにつぶされる」パターンは、前日の観客からの指摘もあったのか、翌日には改善され、きちんと声が通るようになっていた。特に最終公演である5日夜はとてもいいレベルに仕上がっていた。また同じく初演あるあるの「ギターが音割れしてガギガギうるさい」が今回一切なかったのも評価が高い。さすがにこれ以上の音響は、場所が場所だけに無理だろう。何と言っても武道館は武道場であり、シアターでもコンサートホールでもない。
演奏は…がんばってたと思うけどもう少しがんばって欲しかった、とも思う。5日夜公演のトラブった「ロストワンの号哭」を(おそらく)リズムを取るクリック音なしで歌い出しで合わせてきたのはすばらしい技術だが、アンハッピーリフレインの入りが非常に苦しかった。4日夜公演は若干ずれてて観客も困惑していたし、5日夜公演は何とかリズム崩さず抜けた(DIVAで言えば遅ズレのギリギリFineで抜けた感じ)。DTMならではの演奏を前提にしてない難しすぎる入りだから仕方ないとはいえ、ガッチリ合わせてくれたら最高だった。

2.照明、演出、ミクさんの映像演出
スタンド席からの舞台の近さには驚いた。横浜アリーナのように「アリーナでも後ろのほうだとミクさんが豆粒」という状態にはならない。長さではなく高さで収容人数をまかなう武道館の構造のおかげで、肉眼でミクさんを堪能できた。
一部で絶賛の声があるとおり、全体のライトやレーザー、LEDの使い方(オープニングのキラキラ、shake it!で一斉に「YEAH」が光る)が秀逸で大変楽しめた。ただし、アリーナからはライトが上からアリーナの上に覆いかぶさる演出が実感できず、2階席からは吹き上げるスモークでミクさんが隠されるなど、どこの席でも何かしらの影響は受けた。これは制約上しかたないだろう。
ミクさんのダンスは、動きが今回さらに磨きがかかっているように見えた。重みをそのままに軽やかでスムーズなダンスに大いに熱狂できた。ただしディラッドの角度の問題か、見ているのと遠い側の端に行くと薄れて見えなくなるという問題が見られた。

3.曲目
コアな一部のファンには不評のようだが、ここはポップス・ロックの殿堂、日本武道館である。日本武道館でやるならわかりやすく乗りやすいポップス・ロックが選ばれ、エッジが利いたものは除外される運命にある。その中でもボカロの視点を歌った「ODDS&ENDS」、ボカロならではの声を生かした「二次元ドリームフィーバー」、DTMならではの難リズム曲「アンハッピーリフレイン」のラインナップで、ボカロとしての独自性は十分主張できたのではないだろうか。
個々人の好みのブレがあるとはいえ、「日本武道館でやる」にふさわしい曲目だったと考える。これ以上とがった曲は、DJイベントでクラブで聴くか、渋谷や新宿の地下のライブハウスでにアミッドなりポリッド立ててやったほうがいいだろう。

4.トラブル
トラブルについては「リモコン」の舞台演出を変えたのが影響したとの声が有力。あの画面演出がAR臭くてライブっぽくないと言われたんで削ったんじゃないか…なんて話がまことしやかにささやかれている。あの1曲だけがARっぽいからこそ、いかにも「ボカロがリアルの殿堂たる武道館に立っている!」感が出ててうれしかったのだけど…。
昼公演はリンレンのマシンだけ落ちて再起動、夜公演は前の曲の「ロストワンの号哭」でバンドへのリズムを知らせるクリック音だけが出ず、イントロが演奏できなかったのではないか、と言われている。そこ大丈夫なようにしとけよとか、当日に演出変更=プログラム変更なんて荒業すんなよ、という声もあるようだが、予算も時間も限界がある中でできる限りのことをしようとした結果である、ということで。
リンレンPC落ちた件は早速泣けるマンガに、イントロ飛んだ件はほっこりするマンガにそれぞれ二次創作されてる。今後運営には厳重に注意していただく必要はあるとしても、これはこれで楽しむというのもライブかなぁ、と思ったり。

5.ファン
サイリウムの色替えの人数やタイミングに関しては、アイマスやラブライブと比べて揃ってはいないが、その揃わなさがミクさんライブっぽくもあり。特に「深海少女」は基本全員青にするのだが、「青持ってない」「色変更失敗」などによる緑やピンク、黄色といった色がちらちらといることが海底生物を思わせ、本当に海の中にいるよう。この光景の全貌を見られるのは上階席の特権かもしれない。なのでミク廃はアリーナからと上階席からの2回見るのが通例。
そしてアンコール2回目の最後の1曲、歌詞が出た=一緒に歌えってことだ!と初演から判断したファン、さすが。ついに武道館に来た、という歴史を刻み込む強烈な感覚に涙が止まらず、感涙に何度も声が途切れた。現地はもちろん、オフ会でも「よかったよね!」って泣いてた。それほどの感動。

6.総評
ポップス・ロックの殿堂である「日本武道館」に老若男女、ボカロ歴もまちまちの数千人のファンを集めてやるライブとして、できるかぎりの曲目、音響、照明、演出をもって開催されたライブとして、あちこち瑕疵はあるものの、全体として満足している。
「ミライと称して先進的な部分が何もないじゃないか!」と言う人もいるようだが、そもそも日本武道館のステージにボカロが立つというのが前代未聞であり、さらにその曲を全員で斉唱するなんてのも、日本国内で開催されるボカロライブとしては前代未聞。「ミライ」を感じる場はすでに与えられていたわけだ。そこで「ミライ」を作るのは「俺ら」でいいんじゃないだろうか。
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