Appendix 1 結局のところ「初音ミク」「ボーカロイド」って何なのよ 

 最近、特に海外では、「ミクの日感謝祭」の映像を通して、バーチャルアイドルとしての初音ミク・ボーカロイドが報道され、いわゆるヲタ趣味の一つ、というとらえかたをしている方も少なくないと思います。
 もちろん、マニアックな趣味、という一面もあることは確かですが、決してそれだけではない、ということを、改めてお伝えしたいと思います。

※実のところ「ボーカロイドってどんな存在なのか?」というのは、ボーカロイド界隈でも個々人によって考え方がまちまちです。この記事の内容は、あくまでぶっこが、ボーカロイドを知らない方に向けての説明として述べるものです。

 ボーカロイドには、2つの側面があります。歌を歌っているボーカリストという側面と、歌声合成ソフトという側面です。

1.ボーカリストとしての側面

 ボーカロイドは、作家の作る曲を歌う「歌い手」です。最近流行の「○○ feat.△△」の△△の人と立場上は同じです。初音ミクを使った曲は、初音ミクが歌っている、と言うことができます。
 「初音ミク」はあくまで仮想的な存在で、現実にいるわけではありません。従って「feat.△△」の実在する歌い手と全く同じように考えることはできません。MCもできませんし、プログラムされたとおりにしか歌えません。そういう点で、初音ミクそのものがアーティストとして同列で考えられるべきものではありません。
 ですが、その声は「初音ミク」のものであり、歌い手と言う立場であることは確かです。ですので、初音ミクがステージに立てば、ファンは歌い手として初音ミクを扱います。ゲームとしての盛り上がりや「ミクの日感謝祭」の熱狂振りは、こうした認識の上に成り立っています。
 特に、画面の外に出てくるとは思わなかった存在が舞台に立っている(そう見えるだけで、相変わらず画面から出てきてないんですが)、という体験は近未来的でもあり、技術に対する驚きとともに、ファンの熱狂を支えました。
 バーチャルアイドルとしての「初音ミク」は、ボーカロイドの歌い手としての側面によって成り立っています。

2.歌声合成ソフトとしての側面

 上記でも記しましたが、ボーカロイドは歌い手ではありますが、あくまでソフトウェア、楽器の一つであって、人間の歌い手さんと一緒ではありません。
 ボーカロイド曲でアーティストの役割を果たしているのが、プロデューサー、Pさんと呼ばれる作家の皆さんです。ファンはボーカロイドの声そのものに魅力を感じていることはもちろん、「○○さんの曲」を求めて集まっています。曲の音楽性は、こうした作家の皆さんによって既定されています。
 ボーカロイドはプログラムなので、プログラムどおりにしか歌いません。逆に言うと、どんな音楽性であっても、その能力の範囲内で「○○さんの音楽」を表現できます。
 今年、ニコニコ動画では「般若心経祭り」と言われる現象が起きました。般若心経を歌詞として、作家たちが競い合うように曲を作ったのです。ポップ、ロック、ハードコア、バラード、テクノ、ラウド、デジロックなどなど…。作家が作曲してしまいさえすれば、どんな曲でも表現できてしまうのです。多様な音楽を表現する楽器・技術でもある、というのが、ボーカロイドの重要な側面の一つです。

 ボーカロイド・キャラクターが歌い手のイメージとして、バーチャルアイドルとしての見た目で、多くのファンを獲得するのに貢献してきた部分はとても大きな物があります。ですが、ファンはそれだけを求めているのではなく、その独特の歌声と、それを利用した作家のみなさんの音楽性にひかれ、集まってもいるのです。
 歌い手が実在しないキャラクターだからといって、特別なことはありません。一般的なアーティストにひかれる人々と、基本的には変わりないのです。
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